Fishing of memories




渓魚との出会い:20代前半のお話。

以前より渓魚の存在は知ってはいたが、何となく憧れていただけでした。

◆当時は社員寮(島根県浜田市)に住んでおり、7歳程年上の先輩と同居していた。お互い独身。暇を持て余していて、休日の度にアウトドア遊び大好きの先輩にあちこち連れ回されていた。もちろん釣りにも行った。10歳から始めた釣り(近所の川での小鮒狙い)ではあったが、使う道具は始めた当時とあまり変わらないチープな物ばかり(笑)でも楽しめればそれで良し!っていう程度の釣りなので、コレで十分だったりした。
※浜田市という場所柄、獲物は当然の海水魚。キス・アジ・小チヌなどがメインターゲット。

◆とある休日、寮から車で1時間程の広島県内にあるダム公園へ「ハイキングに行くべ!」と連れて行かれた。一応何か釣れるかもしれないので糸と鈎は持参。
車を停め、小川の流れ沿いに続く小道を「キャンプだーホーイ、キャンプだホーイ、キャンプだホイホイホイ♪」(なんの歌だっけ?)とかなんとか あまり関係無い歌を唄いながら数百メートル山に分け入った。

◆なだらかな傾斜の小さな滝(落差1m以下)まで歩いた所でチョット休憩。傍らを流れる小川の小石を裏返すと「あら!こんな所に川虫が」(笑)。折角持ってきたんだからと、落ちてた杉の小枝を竿代わりに(汗)仕掛けを作り、川虫をセット。林の中に小沢を見付け、チョットした落ち込みに餌を落とすとすぐさま当たりが!上げてみると10p程のチビアマゴ釣れていた。

◆初めて手にする渓魚は、パーマークと体側に散りばめられた紅点が美しく、まるで生きている宝石。子供の頃から慣れ親しんだ小鮒などとは違う美しさと気品があった。この日以降、渓魚に対する憧れが益々強くなってきたのでありました(^-^)


初めてのイワナ:ゴギを釣る。

初めての渓魚アマゴを釣ってからどれくらい後のことか?ハッキリとは覚えてないがゴギと出会う。


◆斐伊川源流域へドライブデート中(そんな所へデートで行くか?!)、良さそうな沢を見つけた。
※当時の良さそうは、遊魚券を買ってないので他人に見つかりにくい場所(大汗)
遊魚券は
必ず購入しましょう!!!(^^ゞ


◆竿はホームセンターで買った1.8Mの振出し竿(汗)を使い、毎度の如く石をめくって川虫を採取。直径2M位の淵を見付け餌を落とした。「いたっ!」淵のエグレの部分から魚が姿を見せるが、すぐにUターン。
次の1投はエグレのすぐそばに餌を落とす。すると引き込むような当たりが!「きたぁーーー!」。サイズがサイズだったのですぐに抜き上げて見ると、グロテスクな魚が釣れてた。

◆儂:「なにこれ?」。女の子:「気持ち悪〜い!」(^^;
数年後に同河川で釣った、当時の記憶のままのコギパーマークが有るので間違いなくサケ・マス属なのだろうが、以前に釣った事があるアマゴとはまったく違う(汗)。「これがイワナなのかな?」自信はなかったが、なんとなくそんな気がした。

◆帰宅後に淡水魚図鑑で中国地方特有のイワナ=ゴギであることを知る。初めてのゴギ、約15p。こげ茶色の魚体に白い点々が一杯あって、ヌルヌルしてる。腹部と各鰭がオレンジで、あんまり奇麗じゃないなぁ〜。そんな印象でした(汗)。

※この頃は女の子と遊ぶのが最も重要で、釣りなんて暇つぶし程度(笑)。時々竿を出せれば十分なのでした(^^ゞ.。しかし、、、この女の子に振られ、それから渓流釣りにのめり込んで行くのであった(^^;;;


ルアーで渓魚を釣る:1994/06/11
月刊釣り情報が儂のルアー釣りの原点だ(汗)

◆渓流釣りを覚えて4シーズン。ずーーーっと餌釣りばかりやっていた。身近に同じ趣味を共有する友人・知人が居なかったので「初めての渓流釣り」みたいな入門書が全てだった(汗)。

◆買い始めた遊魚券(笑)は、社員寮から近い八戸川。道具は相変わらず貧相(汗)で恥かしく、人が入りそうに無い支流の小沢ばかりで試行錯誤を繰り返していた。小さな川ばかり行く割には大物に対する憧れは強く、「尺、尺、尺」と呪文のように唱えながら釣りをしていた(汗)。※当時はウェーダーも持ってなくて、普通の長靴やスニーカーで川に入って(浸かって)いた。そりゃ他人には出会いたくないよな(恥)

◆そんな頃、とある食堂で読んだ釣り情報誌。Y県の観光名所○○橋のすぐ下でルアーにて割と簡単にサツキマスが釣れると書いてあ(ったような気が・・・と思い込んで)る。上流に行くと本流幅広アマゴが釣れるとも書いてある。「サツキマス!、幅広アマゴ!」※幅広など何の事か分かってないかったがw「ルアーなら尺物だぁー!!」(安易過ぎる…大汗)。

◆その週末にはリール(ライン付き)セットで4千円弱のルアー入門用タックルを購入(相変らず貧相w)。一緒に店内では唯一渓流向きと思えたルアー、ブレットンも1セット購入した。ルアー釣りは小学生の頃に一度だけスプーンを引いた事があるだけ・・・。本音では「本当に釣れるの?」と半信半疑。店から出ると、その足で高津川へ練習へと向うのであった。

◆匹見町内で日券を購入後、早速近くの本流で投げてみる。着水後は底を取る前に巻き始めないと川底に引っかかる事、ハンドルは左巻きが使い勝手が良い事などを学んだ(笑)。練習中に愛想の良いカワムツを数匹ゲット☆「ルアーって本当に釣れるんだぁ♪」と、一番大切なことも学び、メチャメチャ自信を付け、いざ渓魚ゾーンへ!。

◆岩陰に身を隠し、白泡の中へキャスト!一発で最良と思えるポイントに着水成功!我ながらナイスコントロール(^-^)v。数メートル引いたところでイキナリ「ガツン」と当たりがあり、カワムツとは違なる重量感溢れる感触に夢中でリールを巻いた(まだ右巻きw)。河原に横たわったのは7寸位のヤマメであった。初めてルアーで釣った渓魚・・・メチャメチャ嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。

◆直後に傍の支流流れ込みでゴギ2匹連続ヒットのオマケ付き。帰りの車中、にやけっぱなしの儂を見て、当時の彼女(今の嫁さん)が「子供みたい」と呆れてた(汗)。翌年の解禁日にはウエアまでバッチリ決めた一端の渓流ルアー馬鹿が生まれるのでした(笑)


初めての尺上:1997.5.25

尺上を釣りたくて始めたルアー釣り。しかし2シーズンを終え、最大はヤマメの27pだった(ヘボッォ〜)


◆ルアーを覚えて3シーズン目に入ったこの年。4月の末にゴギの28pが釣れ、久々にルアーでの渓魚レコードを更新できた(幸)。今シーズンは期待できるかも☆むふっ♪

◆5月中頃ちょっとショックな事が起きた。会社の後輩バスマン(後に度々登場する事になるエイヂ)が、八戸川で33.5pのヤマメを釣ったらしいのだ。
奴は撮った写真をわざわざ実寸大まで拡大コピーし、我が家に押し掛け自慢しやがった。儂が未だに尺上を釣った事が無いのを知っていての行為・・・正直ムカついた(怒)。奴より大きな尺上を釣って見返したるっ!!

◆3日程前に降った大雨。待ちに待った週末はチョイ濁り&やや増水。ルアーで狙うには最良の条件。各ポイントで8寸以上の幅広ヤマメが面白い程ルアーを引ったくる。この季節は魚のコンディションも良く、結構引くからめっちゃ面白い。何時ものお気に入り区間で25〜28pのヤマメが8匹位(喜)と、40〜50クラスのイダが10匹程釣れた(汗)。何気にヤマメでもレコードに並ぶ(^-^)v

◆この時点で昼前。大満足なので帰っても良かったが、奴が尺物を釣ったポイントが少し気になる。以前1度だけ入った事は有るのだが、そんなに良い場所ではなかったような・・・ダメ元でそのポイントを最終地点に決め、再び川へ入ることにした。

◆200mほど釣りあがり、1匹を追加しただけでそのポイントに着いた。
奴はミノーで釣ったと言っていたので一応真似てみる。対岸の流れ込みから流すと小型のイダが2度程チェイスして来るのが見えた。「場所は一緒でも、そうそう尺上なんて釣れるものじゃないよなぁ〜」。尺上ヤマメは早々に諦め、そのイダを掛ける事に集中する(笑)。小型のおちょぼ口では上手くミノーを捕えることが無理みたいなので、得意のスプーンにチェンジした。

◆スプーンでのファーストキャストに一発でHIT!。魚は一頻り走った後、儂の立っていた大岩の下にモグり込んだ。引きずり出そうと、多少強引に竿を立てると「ゴン、ゴン、ゴン」岩の下からイダとは異質の引きが伝わる・・・「へっ?!」。ここでやっと「もしかして(汗)」と思い、写真撮影でしか使ったことのないネットをベストの背中から外した・・・オイオイ、取り込むには足場が高過ぎじゃありません?(大汗)。

◆腕を精一杯伸ばし、ネットが届くまで「外れるな〜」と祈る。やっと抵抗を諦め岩穴から出てきた銀色の魚を掬った。ネットに収まったのはパーマークがハッキリしない本流育ちの幅広ヤマメ。間違いなく尺オーバー。心臓バクバク、まさしく震える手で計寸すると31.5p。「遂にやったよぉー!」岩の上で拳を握り締め、ひとり奇声をあげていた(恥)。

当時からC&R◆奴の釣ったサイズを超える事は叶わなかったが、苦節?年、儂にとっては遂にキャッチできた尺上だったとさ。


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